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    2008年10月7日火曜日

    死神の精度

    『死神の精度』 伊坂幸太郎(著) 文春文庫

    人間を“間引く”ための調査員として送り込まれる“死神”が関わる6人の物語。「仕事」をするときには必ず雨が降るという、音楽をこよなく愛している死神のちょぴりズレた視線から観た人間模様は「死」に直接関わりながら冷たくもなぜか優しく映るのだった。
    映画化された「死神の精度」「死神と藤田」「死神対老女」を始め、「吹雪に死神」「恋愛で死神」「旅路を死神」の6つの短編が織り成す少し不思議な死神ワールドを堪能できます。

    映画を観たくて手に取った文庫本。伊坂氏の作品は他には『アヒルと鴨のコインロッカー』しかしらないけど、なんと言うか独特な雰囲気を持った文章のような気がした。酷く冷静で客観的な目線でありながら当たり前のように優しさがある・・・みたいな?(笑)
    感情移入がし易いわけでも、大きな盛り上がりがあるわけでもなく、それはもう本当に淡々と進んでいくわけで、そこが実は死神に感情移入しちゃってるんじゃないかと後で気が付いた。ちょっとした密室殺人事件やストーカーサスペンス、ロードノベルなんかも盛り込まれてて、思い返せばかなり豪華な短編集なんだけど、首尾一貫して、無秩序な人間の心理・行動にストレートな疑問を持つ死神の目で見てるもんだから妙に冷静で、そこがすごく面白い。
    この死神のキャスティングが金城武なわけだけど、正にこの役をするための役者じゃないかと思うくらいイメージがぴったりだと思う。映画を観るのが本当に楽しみ。

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